この記事では、除湿機のペルチェ式について仕組みやメリット・デメリットなどをお伝えしています。
除湿機には様々な方式がありますが、この記事では、「除湿機のペルチェ式とは?」という疑問に焦点を当て、その仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
除湿機のペルチェ式とはどのようなもの?コンプレッサー式やデシカント式とは、どのような違いがある?などの疑問がある場合は、是非ご覧ください!
除湿機のペルチェ式とは?仕組みを解説!
除湿機 ペルチェ式とは、その名の通り「ペルチェ素子」という半導体を使用した除湿方式です。
ペルチェ素子とは、電流を流すと片面が冷却され、もう片面が発熱するという特殊な性質を持つ部品です。
この特性を利用して、除湿機 ペルチェ式は空気中の湿気を凝縮して取り除きます。
具体的には、ペルチェ素子の冷却面に室内の湿った空気を触れさせることで、空気中の水蒸気が冷やされて結露し、水滴となってタンクに集められます。
一方、発熱面からは熱が放出されますが、一般的な除湿機に比べて発熱量が少ないため、室温上昇を抑えやすいという特徴もあります。
ファンで空気を循環させながら除湿を行うため、構造がシンプルで小型化しやすいのも、除湿機 ペルチェ式の特徴と言えるでしょう。
除湿機 ペルチェ式のメリット・デメリット
除湿機 ペルチェ式には、他の方式にはない独自のメリットと、いくつかのデメリットがあります。
それぞれの特徴を理解することで、ご自身の使用目的に合った除湿機選びに役立ててください。
除湿機 ペルチェ式のデメリット
除湿機 ペルチェ式のデメリットとしてまず挙げられるのは、除湿能力の低さです。
ペルチェ素子の特性上、大量の水分を効率よく取り除くことには限界があります。
そのため、広い部屋や、カビが発生しやすいほどの多湿な環境での使用には不向きと言えるでしょう。
また、低温環境下では除湿能力がさらに低下する傾向があり、冬場の結露対策などにはあまり向いていません。
あくまで補助的な除湿機として考えるのが適切です。
除湿機 ペルチェ式のメリット
一方、除湿機 ペルチェ式のメリットは、その静音性とコンパクトさ、そして消費電力の少なさです。
コンプレッサーやヒーターを使用しないため、運転音が非常に静かで、寝室や書斎など、音を気にする場所でも快適に使用できます。
また、構造がシンプルなため、本体を非常に小型にできる点も魅力です。
クローゼットの中や下駄箱、洗面所など、限られたスペースでの除湿に適しています。
さらに、消費電力が少ないため、電気代を抑えたい方にもおすすめです。
除湿機のペルチェ式はどのような用途に向いている?
除湿機 ペルチェ式は、その特性から特定の用途で真価を発揮します。
まず、クローゼットや下駄箱、押し入れなどの狭い空間の湿気対策に最適です。
これらの場所は空気がこもりやすく、湿気がたまりやすいため、コンパクトで静かなペルチェ式除湿機が活躍します。
また、洗面所や脱衣所など、一時的に湿気が高くなる場所での部分的な除湿にも向いています。
さらに、書斎や寝室など、静かな環境を重視したい場所での使用もおすすめです。
コンプレッサー式のように大きな運転音が発生しないため、読書や就寝の邪魔になりません。
ただし、前述の通り除湿能力は高くないため、部屋全体の除湿というよりも、特定の場所のポイント除湿として活用するのが賢明です。
除湿機のペルチェ式の電気代は?
除湿機 ペルチェ式の電気代は、一般的に他の方式の除湿機と比較して安価な傾向にあります。
これは、コンプレッサーやヒーターといった消費電力の大きい部品を使用しないためです。
もちろん、具体的な電気代は製品の消費電力や使用時間、地域によって異なりますが、例えば消費電力が40W程度のペルチェ式除湿機を1日8時間使用した場合、1ヶ月の電気代は数百円程度に収まることが多いでしょう。
ただし、ペルチェ式は除湿能力が低いため、広範囲を除湿しようとすると長時間運転が必要になり、結果的に電気代が高くなる可能性もあります。
あくまで補助的な除湿として、ピンポイントで使用することが電気代を抑える賢い使い方と言えるでしょう。
電気代を計算する際は、製品の消費電力(W)を確認し、「消費電力(W)÷ 1000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)」で概算することができます。
除湿機のペルチェ式とデシカント式の違いは?
ここまで除湿機 ペルチェ式について詳しく解説してきましたが、除湿機には他にも様々な方式があります。
中でも、デシカント式除湿機は、ペルチェ式と異なる特性を持つため、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
ここでは、除湿機 ペルチェ式とデシカント式の主な違いについて掘り下げていきます。
除湿機のデシカント式とは?
除湿機のペルチェ式とデシカント式の違いを確認する前に、まずはデシカント式除湿機がどのような仕組みなのかをお伝えします。
デシカント式は、乾燥剤(デシカント)と呼ばれるゼオライトなどの吸湿材を使って空気中の水分を吸着し、その後ヒーターで乾燥剤を温めて水分を気化させ、熱交換器で冷やして結露させることで除湿します。
このため、室温に左右されにくく、冬場の低温時でも安定した除湿能力を発揮するのが特長です。
また、ヒーターを使うため電気代が高くなる傾向にあり、室温が上昇しやすい方式です。
除湿機のペルチェ式とデシカント式の特長を比較
ペルチェ式、デシカント式の特長を比較してみましょう。
除湿機の機種により変わりますが、一般的には、下記のような傾向になります。
☆除湿能力
除湿能力は、ペルチェ式よりデシカント式の方が高い傾向にあります。
ペルチェ式は、クローゼットや下駄箱などのスポット的な除湿や、少量の湿気対策に適しています。
一方、デシカント式は、部屋全体の除湿や洗濯物の室内干しなど、より広範囲でしっかりとした除湿を行いたい場合に効果的です。
☆電気代
電気代は、デシカント式よりペルチェ式の方が安くなる傾向です。
デシカント式は、乾燥剤を再生するためにヒーターを使用するため、消費電力が大きくなりやすいのが特徴です。
特に冬場など、ヒーターの稼働時間が長くなると電気代が高くなる可能性があります。
ペルチェ式はヒーターを使わないため、消費電力を抑えられます。
☆運転音
運転音は、ペルチェ式とデシカント式ともに比較的静かです。
ペルチェ式はファンのみの稼働で非常に静かです。
デシカント式もコンプレッサーを持たないため、コンプレッサー式に比べて運転音は小さいですが、送風ファンやヒーターの稼働音はあります。
寝室などで使用するなら、両方式ともに検討しやすいでしょう。
☆室温上昇
室温上昇の度合いは、デシカント式の方がペルチェ式よりも高くなります。
デシカント式はヒーターを使用するため、運転中に暖かい空気を排出します。
特に夏場は室温が上がりやすく、より蒸し暑く感じることがあります。
ペルチェ式は発熱量が少ないため、室温への影響を抑えられる傾向にあります。
コンプレッサー式、デシカント式、ペルチェ式の特長を比較
ここまでで除湿機のペルチェ式・デシカント式に触れてきましたが、除湿機には他の方式もあり、それぞれに得意なことと苦手なことがあります。
ここでは、主要な3つの方式であるコンプレッサー式、デシカント式、そして今回解説したペルチェ式の特長を比較してみましょう。
ご自身の使用環境や重視するポイントに合わせて、最適な方式を選ぶ際の参考にしてください。
コンプレッサー式 | デシカント式 | ペルチェ式 | |
---|---|---|---|
電気代 | 〇 | △ | ◎ |
運転音 | △ | ◎ | ◎ |
除湿力 | ◎ | 〇 | △ |
室温上昇 | 〇 | △ | ◎ |
本体サイズ | △ | 〇 | ◎ |
得意な季節 | 夏 | 冬 | 低温時は苦手 (小空間) |
- ◎:非常に良い
- 〇:良い
- △:あまり良くない
※上記の比較は一般的な傾向を示すものであり、機種によって特徴は異なる場合があります。製品を選ぶ際は、個別のスペックもご確認ください。
除湿機のペルチェ式とは?のまとめ
今回は、「除湿機 ペルチェ式とは」というテーマで、その仕組みやメリット・デメリット、そして最適な使用用途について詳しく解説しました。
除湿機 ペルチェ式は、静音性、コンパクトさ、消費電力の低さが大きな魅力ですが、除湿能力は限定的です。
広い部屋や多湿な環境には不向きですが、クローゼットや下駄箱、洗面所などの狭い空間や、静音性を重視する場所でのポイント除湿には非常に適しています。
コンプレッサー式、デシカント式との比較も参考に、ご自身のライフスタイルや除湿したい場所に合わせて、最適な除湿機選びの参考にしていただければ幸いです。